12月12日【みんななんとなく物足りなく、おなかに風が吹いているような何かに飢えているような気持ちでくらしているのではないでしょうか。】
真善美な生き方について考えてきたわたしが、1年間で100冊以上の本たちを読んできました。
哲学入門から漫画まで。ちょっと偏ったジャンルから素敵な言葉たちをピックアップ。
12月1日から12月25日までの25日間。わくわくするようなクリスマス期間にお届けしています。
すこしでもあなたの心にじんわりなじみますように。
みんななんとなく物足りなく、おなかに風が吹いているような何かに飢えているような気持ちでくらしているのではないでしょうか。
オノ・ヨーコ(1998). 『グレープフルーツ・ジュース』 株式会社講談社 (8)
いまは、食べたいのに食べるものがない時代じゃありません。
東京に住んでいれば、あるけばすぐにコンビニがあるし、ちょっとお金を出せばお腹が満たされる。
自分でご飯を作らなくても食べるものがある。
でも、なんとなく飢えている。
ひゅる~~っとお腹に風が吹いているような。満たされない何か。それってなんだろう。
グレープフルーツ・ジュースに書かれた言葉たちは、満たされない何かを少しずつ満たしていく。
考えたこともない、すっとんきょうな言葉たち。
言葉を味わう、というのをはじめて理解した本でした。
ここからわたしは詩集や短歌の本を購入しはじめたんですよね。
日本語でこんなに楽しんでるんだから、外国語はもっと楽しいんだろうな。
もし、グレープフルーツ・ジュースの本に出会えたなら、時間をかけて、目を閉じて味わってみましょう。
今日もお読みいただきありがとうございます。